1. 脂肪再配置とは?
脂肪再配置は脱出した眼窩脂肪を除去せずに移動し、 下方のくぼみ(ティアトラフ)に転位させて、自然になだらかな目の下のラインを作る手術です。
下眼瞼形成 と 結膜切開による脂肪再配置 — 重要な違いは切開部位
どちらの術式も脂肪を除去せず再配置します。違いは切開をどこに行うかです。
下眼瞼形成(経皮アプローチ)
- 皮膚切開(下まつ毛から2〜3mm下)
- 脂肪再配置 + 余剰皮膚の切除
- 傷跡の可能性はあるが、ケロイドが少なく治癒の良い部位
結膜切開による脂肪再配置
- 結膜切開(まぶたの内側から)
- 脂肪再配置のみ(皮膚切除なし)
- 外側に傷跡なし(外部切開なし)
脂肪を単純除去しない理由
- 目の下が陥没し、より老けて見える可能性
- クマがかえって目立つ可能性
- 目の下の自然なボリュームを失う
脂肪再配置のメリット
- ふくらみとくぼみを一度に解決
- 目の下の自然なボリュームを維持
- クマの見え方を改善
必要時 — 自家脂肪移植の同時施行
骨性のくぼみが利用可能な眼窩脂肪より大幅に深い場合、脂肪再配置だけでは陥没を完全に充填できないことがあります。 その場合は脂肪再配置と自家脂肪移植を同じ手術で併用することで明確な差が生まれます。 適応の有無は、患者様の解剖に基づきカウンセリングでご相談します。
2. 下眼瞼形成とは?
下眼瞼形成には必ず脂肪再配置が含まれ、 皮膚のたるみが著しい場合には余剰皮膚の切除も併用します。
皮膚切除が必要なため、切開は下まつ毛から2〜3mm下に行います。 この部位はケロイドが生じにくく治癒も良好で知られており、 目立つ傷跡が残る心配はほぼありません。
加齢により眼窩隔膜が弱くなり眼窩脂肪が前方に脱出して、目立つふくらみが生じます。 そのふくらみの下では組織が陥没して溝になり、影が落ちてクマのように見えます。 下眼瞼形成はふくらみとくぼみを一度の手術で同時に解決します。
ROIの考え方 — 脂肪は除去しません
ROIでは下眼瞼形成に必ず脂肪再配置を含めます。具体的な術式は執刀医によって大きく異なり、眼窩脂肪を除去する医師もいます。
兪永基院長は原則として脂肪を除去しません。 加齢に伴いその下の骨性のくぼみがむしろ目立つようになるため、貴重なボリュームを捨てるのではなく、 その脂肪を陥没部の充填に活用します。
「除去」でも「ヒアルロン酸」でもなく、なぜ「再配置」なのか
目の下の脂肪は「取り除くもの」ではなく、「位置を移して活かすもの」です。よく選ばれる二つの方法 — 脂肪を取る/ヒアルロン酸で埋める — になぜ限界があるのかをご説明します。
① 脂肪を「取る」方法の限界
長い間、目の下の脂肪は「取り除く」のが標準のように考えられてきました。しかし取って平らにすることは、思った以上に難しいのです。
- ·少し取りすぎるだけでその部分がくぼんで影ができ、かえって疲れて見える・具合が悪そうな印象になりがちです。
- ·ふくらみを減らしても、その下にある涙袋の溝(tear trough)はそのまま残ります。再手術で来院される方を見ると、ふくらみが少し減っただけで「出っ張り+くぼんだ溝」という二つの段差が残っている場合が多くあります。
加齢で生じるこの変化を無理に「なくそう」とするより、押し出された脂肪をくぼみへ移して段差をなだらかにすること — それが再配置の目的です。
② ヒアルロン酸で「埋める」方法の限界
溝にヒアルロン酸を入れればよいと思われがちですが、その溝は単なる空間ではなく、涙袋靭帯(tear trough ligament)という、皮膚を内側に強く引き留める密で頑丈な靭帯によってできた溝です。
- ·その靭帯の「内側」を埋めるのは構造的に難しく、ヒアルロン酸は結局靭帯の両脇に広がります。一時的に良く見えることはあっても、靭帯を切り離してご自身の脂肪で埋める再配置ほど根本的ではありません。
- ·ヒアルロン酸は時間が経てば完全に吸収されると言われますが、手術中に確認する所見は異なります。以前に目の下へ注入された方を手術すると、多くの場合ヒアルロン酸が残っていたり、変性した異物のようになっています(10年前の注入でも同様でした)。残ったヒアルロン酸はリンパの流れ(lymphatic channel)を妨げ、術後の腫れが長引くことがあります。
こうした理由から、ROIは目の下に何かを「足す」より、原因となる靭帯を解放し、ご自身の脂肪で自然に埋める再配置を優先します。
下眼瞼形成で改善できる悩み
脱出した目の下脂肪(頬の盛り上がりの下のふくらみ)
ティアトラフ溝(目の下のくぼみ)
構造性のクマ
目の下の細かいしわと皮膚のたるみ
3. ROIのシグネチャー術式
4ポイント連続固定法 — 2025年 大韓形成外科学会(PRS)で発表
ROIの真の差別化ポイントは「脂肪をどこに・どのように固定するか」です。 単に脂肪を動かすだけでなく、徹底した解剖学的剥離を行い、 吸収糸を用いた4ポイント連続内部固定法(兪院長が独自に開発)で固定します。
ティアトラフ靭帯の完全解放
目の下の溝の解剖学的原因であるティアトラフ靭帯を完全に解放し、陥没を最小化します。十分な解放なしには、再配置した脂肪では効果的にくぼみを埋められません。
隔膜付き脂肪の剥離
脂肪のみを切り離すのではなく隔膜の付着を保持します。隔膜は安定した長期固定のために必要です。
骨性陥没部上への平坦な転位
脂肪は骨の最も突出した点のすぐ下のレベルまで転位・固定する精密な位置決めを行います。ボリュームが多すぎると再びふくらみが生じ、少なすぎるとくぼみが残ります。位置こそが全てです。
4ポイント連続内部固定(吸収糸使用)
兪院長が開発したこの術式では、吸収糸を用いて4ポイント連続内部固定を行います。テンションが均等に分散され、治癒の過程で脂肪が動かず定着します。
なぜ固定法が重要なのか
従来法(外部ボルスター縫合)
- 縫合糸は7日目に抜糸
- 抜糸時、癒着はまだ十分でない
- 再配置した脂肪が元の位置に戻る可能性
- 長期的な満足度が低下する傾向
ROI 4ポイント連続固定法
- 吸収糸 — 抜糸不要
- 内部固定 — 完全癒着まで安定
- 4ポイントで均等なテンション — 脂肪が配置した位置にとどまる
- 優れた長期安定性と高い満足度
2025年 大韓形成外科学会(PRS)
4ポイント連続固定法は兪永基院長により2025年 大韓形成外科学会で発表され、 韓国の形成外科医の間で査読・認知されました。
PRS · 大韓形成・再建外科学会
4. このような方におすすめ
目の下の脂肪のふくらみ
目の下の脂肪が前方に脱出し、目立つふくらみがある方。
目立つクマ
ティアトラフ溝による構造性のクマで、常に疲れて見える方。
目の下のしわ
皮膚のたるみと細かいしわで老けた印象になる方。
5. 回復タイムライン
抜糸 — 術式により異なります
結膜切開による脂肪再配置
抜糸不要 — 結膜の内部閉鎖で、取り除くものはありません
下眼瞼形成(経皮アプローチ)
7日目に抜糸 — 皮膚切開の縫合糸を抜くため再来院
手術当日
適切なアプローチ(結膜切開または経皮)で施行。冷却圧迫を開始。目の下の軽度な腫れと内出血が予想されます。
初期回復期
腫れが徐々に引きます。内出血は下方に移動し薄くなります。優しい洗顔は許可されます。
日常復帰 + 抜糸(経皮アプローチのみ)
腫れと内出血のほとんどが引き、メイクで容易にカバーできます。経皮アプローチで下眼瞼形成を受けた患者様はこの時点で抜糸のため来院します。結膜切開による脂肪再配置の患者様は追加の来院は不要です。
結果が見える時期
再配置した脂肪が定着し、滑らかな目の下のラインが現れます。完全に落ち着くまでは個人差により6ヶ月以上かかる場合があります。
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